黒いなにか

こんにちは。

最近お客様から、鉄瓶を長く使っていて白湯に何か黒いものが混じる、
という問い合わせを何件かいただきました。



黒いカス?これ何??鉄のカケラ?
あーあるある、なんだかわからないけど、取りあえず使ってます。
って方もいるかと思いますので、今日はそれについてご説明いたします。









今まであんまり気にしてなかったけど、
うちで使っている鉄瓶は大丈夫かな~って、改めて調べてみると…
(うちでは5、6個の鉄瓶をローテーションして使ってます。)

5つはきれいな白湯でしたが、1個黒いのが出てるのがあった!!












画像


うむむ、黒いなにかが沈んでる・・・(;゚Д゚)










この黒いのは何かといいますと
えーとえーと、


その1~酸化被膜

鉄瓶の制作工程で、錆止めを施す「釜焼き」という工程があります。
「釜焼き」は鋳上がったばかりのまだ鉄丸だしの鉄瓶を
40分~1時間ほど炭火で真っ赤に焼きます。

そうする事によって、鉄瓶内部に酸化皮膜という膜(焼き皮といいます)をつけて
錆を出難くする南部鉄瓶の独特の防錆加工なのですね。









画像

800度~1000度で焼きます。
やり過ぎると熔けてしまう事が…(新人の時やりがち)





鉄瓶を焼き過ぎると厚く皮膜がつき剥げ易くなっていて
それがポロポロっと剥げてきたものが、黒いなにかの正体の一つと考えられます。
この酸化皮膜は四酸化三鉄いわゆる黒錆※で
身体には害は無く、万が一飲みこんでも問題ありませんのでご安心を^^




※錆には赤錆と黒錆があります。
どちらも飲み込んでも身体に害はありませんが、
鉄瓶とっては赤錆は身を亡ぼす大敵なので、
赤錆が出ないように湿気や水の入れっぱなしには
くれぐれもご注意を。

逆に黒錆は赤錆の腐食から身を守るよい錆です。
この黒錆を強制的に鉄瓶内部につける作業が釜焼きなのです。


(どんなに大事に使っても赤錆は斑点状にポツポツと出てきますが、
赤錆が出たとしても驚かないでそういうものだと思って、
気にせずそのままご使用ください。
ちゃんと乾かしていれば、赤錆が広まる事はありません)







その2~漆

鉄瓶を仕上げる前に、水漏れがあるかないかチェックしますが
その時どうしても水が染み出ることがあります。
そのまま仕上げて販売するわけにはいかないので、その個所は
漆で補修します。

で、長年使っているとその補修でつけた漆がやはりポロポロっと
取れてくることがありますね。
これが黒いなにかの正体のもう一つと思われます。










画像



黒いところが漆で補修した部分。
これが少しずつ取れてきたのですね。

天然の生漆を使っています。
これも万が一飲みこんでも問題ありません。
もちろんかぶれる事もありませんので、ご安心を。




あとたまに白いものが白湯に混じっている時もありますが、
これは湯垢(鉄瓶内部に付着した水中に含まれる石灰、カルシウム等)ですね。
湯垢は鉄瓶にとっては錆を防いでくれる大事なものですので、
あまりきれいな感じはしませんが、こすり落としたりしない様
お願いしますね。


ここまで簡単に説明しましたが、鉄瓶は何百年も前からの技法で
作られ、そして何百年も使われている道具です。
今の時代では、錆とか湯垢とかあまり清潔な感じがしないかもしれませんが、
身体に悪いことがあれば、こんなに長く使われることは無い筈です。
なのであまり神経質にならず、おおらかな気持ちで
使用していただければ有難いです^^













画像




ひめくりさんでの鉄瓶展。

前半戦はたくさんのお客様に来て見ていただきました。
わざわざ遠い所から来てくれた方もいて、本当にありがとうございました!

あと4日間、10月2日までです。
いい季節の盛岡です。
中津川を散歩がてら、どうぞお越しくださいませ~!


台風よ、去れぇぇぇ










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